おためしシンデレラ


「悪かったな、小春」

三村が女の子の頭をくしゃくしゃと撫でる。

「あ、こら和生!娘に触んな!穢れるやろ」

「何やと?」

しょうがないなあといった風に笑った桜子が莉子に「父がお世話になっています」と頭を下げる。



父・・・・・?

「あ、真野先生の・・・・・」


桜子とどこかで会ったことあると思ったのは、その醸し出す雰囲気や表情が似ていたからかーーー。


「診断書、今晩書いて月曜日に義父に渡しておくから」

「はい、ありがとうございます」


誰も慰めめいたことを言わない。
莉子にはそれが有難い。

今は何も考えたくない。


莉子の身体がふわりと浮いた。


「!?」


「もう遅い、帰るぞ」

また三村が莉子を抱き上げる。
後藤夫妻や真野先生に誤解を招きかねない状況だ。


「し・・・・・社長!歩けますから・・・・・!」


「靴、あらへんやろ」


そういえば来る時も三村に抱かれてきて自分で歩いていないから靴がないことに気付かなかった。
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