おためしシンデレラ
三村に助手席に乗せられ、見送ってくれる後藤夫妻と真野先生に軽く頭を下げる。
暗い夜道を車のヘッドライトが照らし、三村が車を走らせた。
暫く時間がたってから、徐に三村が口を開く。
「部屋、気持ち悪かったらホテル取るぞ?奮発してええ部屋でも」
そのいつもと変わらない口調に気遣われていることが分かった。
「・・・・・大丈夫です。社長の家に帰ります」
「ほうか」
「・・・・・・・・・・けどあの人・・・・・なんでマンションの中まで入り込めたんでしょう・・・・・?」
三村の横顔が僅かに歪む。
「甥っ子やと」
「え・・・・・?」
「小林や。小さい頃から出来の良い自慢の甥っ子だったんだと。その自慢の甥っ子をソデにしやがってとずっと腹に据えかねていたそうや」
あの慇懃無礼な振る舞い、どこか冷淡に感じた態度はそういう事だったのかと胸におちてくる。
「そうですか・・・・・わたしごときが生意気やと思われてたんですね・・・・・」