おためしシンデレラ
そんな気持ちが透けて見えたのだろう。
着替えを手にバスルームに行き、三村に借りていたジャケットを丁寧に畳み、そのまま着て帰ってきた検査着を洗濯カゴに入れた。
熱いシャワーを出して頭からかぶり、鏡を見て首に貼られたガーゼに気付く。そういえば消毒薬と替えのガーゼも貰っていたことを思い出し、それをべりっと剥がした。
見える傷跡。
シャワーの湯気の中でも莉子の目にはっきりと映ったもの。
それは中田の噛んだあと。
くっきりと残る歯型。
蘇る恐怖。
思い出す不快な感覚と痛み。
暗闇に落ちていきそうな感覚に足がふらつき床に膝をつく。
気が付けば喉の奥から迸る叫び。
「マメっっ!?」
三村がドアの向こうから呼ぶけれど、言葉にならない叫びばかりが莉子の喉から出る。
「開けるぞっ」
返事のない莉子に焦れた三村がシャワーの中、うずくまって身体を丸める莉子を見付けた。
服が濡れるのも構わず三村が莉子を抱き寄せると、莉子が腕の中で暴れる。