おためしシンデレラ


莉子のデスクで穂村が口を開く。

「出来るだけ早く仕事を教えてやってくれる?キャリア的に社長の秘書だけやなくて補佐的なこともしてもらいたいと思ってる」

「わかりました」

「あとね、専務秘書の江畑さん、オメデタなんやけど悪阻でどうしても出勤できない日があるんだ。豆田くんにはそちらも手伝ってもらえたらと思って」

「大丈夫ですよ」

三村の秘書に比べたら温厚な専務の秘書はやりやすいだろう。


段々と、三村と離れていくのがいいのかもしれない。

あんなことがあった後で、三村が莉子を疎ましく思い始めるのも時間の問題だろう。

「それと、6月に入れてる社長のタイ工場視察、一条くんにも行ってもらうから飛行機のチケットの手配頼むよ」

「タイ語もできるって仰ってましたもんね、了解しました」

話が終わると慌ただしく穂村が出て行った。

莉子は自分の椅子に座り三村の今日のスケジュールを確認していると社長室のドアが開き、真歩が出て来る。
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