おためしシンデレラ
「莉子さん!」
大きな声で呼ばれてハッとした。
パソコンで会議の資料を作りながらぼんやりしていたようだ。
ブルーグレーのカシュクールワンピースの上にウェストシェイプされた黒いジャケット、今日も真歩は美しい。
「今晩、ボスの予定って何にもないですよね?」
「あ、そうですね。会食もパーティーも無かったはずです」
「じゃ、食事に行きましょう!ボスの奢りで!わたし高台寺の近くの有名なイタリアンに行きたかったの」
真歩は三村をボスと呼ぶ。
三村がそれを嫌がっている感じもない。
「予約の電話してみますね。社長の名前なら多分大丈夫やと思いますけど」
「お願いします!じゃちょっと国際事業部まで行ってきます」
真歩が出て行くと莉子が手帳を出して電話番号を探し、電話をかける。やはり三村の名前を出すと予約OKの返事だった。予約人数を聞かれて莉子がちょっとの間考えこむ。
イタリアンかぁ・・・・・。
少し胃もたれを感じている莉子には重い。2人でお願いします、と頼み電話を切った。