おためしシンデレラ


まんじりとしない夜が明け、莉子は億劫そうにベッドから身体を起こす。

眠っていない顔は最悪で、顔色の悪さと瞼の腫れをメイクでなんとか誤魔化した。

会社に入る前にコンビニで野菜ジュースを買ってから社長室に入り、動きの悪い自分の身体を持て余しながらも仕事をこなした。今日は真歩はお休みを取っている。

コーヒーをセットしたところで三村の足音。ご機嫌はまずまず。

何とか間に合った。

ドアを開くのと同時に莉子がおはようございますと挨拶をし、三村がそれに簡単に答えて通り過ぎようとして足を止めた。

三村が莉子の顔をまじまじと見る。

「社長?」

訝しげに問う莉子の背中と膝裏に手を当て黙って抱き上げ、社長室のソファーに莉子を膝に乗せて座った。

「し・・・・・社長!?」

「骨が刺さる」

「は?」

「お前の取り柄はふくふくした抱き心地やのに骨が刺さる」

三村が背中に回した手で莉子の身体を撫でる。

「つまらん」

「はあっ!?」

「そこらの女と一緒やないか、今すぐ太れ」

「残念ながらわたし、空気人形やないのでそんな自由自在に体型は変えられません」
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