おためしシンデレラ
有能だけどお人好しで、ぼんやりしてるようで意外と鋭い人だ。
「良い方を入れてくださってありがとうございます。真歩さんがいたらわたしなんかもうお呼びではないです」
これだけは莉子の正直な気持ちで真実だ。
「和生にはきみが必要やと思うよ?」
「買い被りですよ」
社長にはあの快活で美しい人が居ればいい。
「総務の方から情報が漏れないようにお願いしますね。結婚まで邪魔されたら困りますから」
明るく言い放ち、一礼して会議室を後にした。
『秘書はオレに結婚だとかしょうもない期待をしない枯れた女』
大丈夫です。
そんなこと期待しないし、希望もしません。
仕事が出来るイケメン御曹司は、相応しい場所で、相応しい女性と、幸せになってください。
退職を決めた莉子は少し気が楽になった。莉子がいなくても仕事が回るよう、三村の扱いから細かい業務のことまでわかり易くノートに纏めてある。
「莉子さん、最近ご機嫌?」
資料をファイリングしていると真歩が聞いてきた。