おためしシンデレラ


会議は13時から仕切り直しだと穂村から伝え聞き、莉子も自分の仕事を進めていく。

これ以上三村の機嫌を損ねないために無心でパソコンのキーボードを叩いていると、新着の社内メールに気付いた。

急ぎの要件だとまずいので取り敢えず開いて目を通し簡潔に返信する。


お昼休みに入り、外で食べてくると部屋を出て行った三村を見送り莉子は昨夜の残り物を詰め込んだお弁当を出して急いでかきこんだ。

12時半の約束に間に合うように会議室へと急ぐ。まだ5分あるけれど一応ノックしてドアを開けると相手は資料を席に配り終わり、コーヒー片手に書類に目を通していた。

「市ノ瀬さん、お待たせして申し訳ありません」

ショートボブの頭を動かし、莉子に向けた顔は子供の看病で睡眠不足と疲れが浮いていて、多分それをメイクで辛うじて隠している。

「まだ約束の時間前よ」

市ノ瀬さんが笑顔を浮かべた。

「お子さんの容態はいかがですか?」

莉子がそう問うと何故か少し驚いた様子。
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