おためしシンデレラ
三村を見送り、自分のデスクを片付けてから自分もジャケットを羽織り部屋の電気をおとす。
会社を出て、地下鉄をデパートの最寄り駅で降りようとした莉子だったが、意味も無く気が乗らない自分に気付いてスルーしてしまった。
真っ暗な窓ガラスに額を軽く打ち付けて
「何してるんだか」
誰ともなしに言葉を漏らしいつものように三村の自宅近くの駅で降りる。
スーパーでお惣菜でも買って、今日はさっさと寝てしまおう。
そう決心していつも食料品を買うスーパーの入口をくぐり、カゴを手にしたところで後ろからトントンと指で軽く肩を叩かれた。
「?」
振り向いた莉子は一瞬言葉を失う。
「こんにちは、莉子さん」
そこに笑顔で居たのは、三村に途中で連れ出されたお見合いの相手、中田だった。
「あーーーー・・・・・!先日は大変失礼をーーー」
慌てて莉子は頭を下げる。
そう言えば常務に事の顛末を話して大笑いされ、謝っておくからいいよとそのままだった。
謝罪の電話くらい入れるべきだっただろうか?バタバタと三村との同居が始まってしまいそのままにしていた。