イケメン貴公子のとろけるキス
◇◇◇
最初に連れて行かれたのは、超定番の観光スポットであるスペイン広場だった。
さすがに私でも知っている。
当然のことながら観光客で溢れている中、広い階段を下から眺める。
確かここは……。
「ローマの休日の舞台だよ。アン王女がジェラートを舐めながら階段を降りて来たシーン、わかる?」
そのシーンなら、テレビで見たことはある。
「……実はその映画、観たことないの」
「え!? あの名作を!?」
ルカがやけに大袈裟に驚く。
そんな人間がこの世に存在しているのか、とでも言っているような感じだ。
外国人ならではのオーバーリアクションで、両手を上げて肩をすくめて見せた。
そうはいっても、もうかなり古い映画だ。
たぶん、私が生まれる前だと思う。
それを見ていないのかと驚かれても、こっちだって困ってしまう。
「それじゃ、今度一緒に観よう」
「え?」