イケメン貴公子のとろけるキス

告白ともとれる突然のセリフだった。
今までで一番振幅のある鼓動が、さらに私を黙らせる。
好きだなんて、あまりにもストレートすぎる。
私の単純な心臓は猛烈な勢いでポンプを稼働させ、全身へ熱くなった血液を行き渡らせていった。

でもそこで、ちょっと待てと理性が働く。
ルカは日本語が完璧とはいえないから、違うニュアンスのことを言おうとしたのかもしれない。
恋愛感情とは違う、友達に対する好きの表現のひとつ。
英語で言えば、“LOVE”と“LIKE”の違いのようなものだ。

それが、ちょっと過剰になっているだけのことということは考えられないだろうか。
そうじゃなきゃ、そのセリフの説明がつかない。
会ってたったの二日で、私のことを好きになるはずがないのだから。
ひと目惚れならあるだろうけど、私はひと目惚れをされるような容姿はしていない。


「そろそろ次に行こうか」


通りに出て、私たちはタクシーに乗り込んだ。

次はどこへ連れて行ってくれるんだろう。
そう思いながら、窓の外を流れる景色を眺めた。

どこに目を向けても、絵になってしまう街の風景。

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