イケメン貴公子のとろけるキス
こうして、ただ車から眺めるだけでも異国気分は十分に味わえた。
「ミナ」
呼ばれて、隣のルカに顔を向ける。
「髪の毛、触ってもいい?」
「え……?」
答えるよりも早く、ルカの長い指先が伸びてきた。
私の髪をすくっては、指を絡ませる。
髪の毛に神経は通っていないはずなのに、ルカが触れるたびに身体に電気が走るような感覚に襲われた。
静かだったはずの心臓の音が、耳の奥で大きくなっていく。
胸がトクトクトクと鼓動を強く刻んでいた。
「綺麗な髪だ。日本女性の黒髪って神秘的だね」
今度は、私の頬に手を当てて、ルカへと真っ直ぐに顔が向けられる。
「黒い瞳も……」
じっと私を見つめる。
逸らしたくても、すぐ近くにあるルカの視線から逃れることは出来なかった。
グレーの瞳に私の方こそ引き寄せられてしまいそうだ。