イケメン貴公子のとろけるキス

タクシーに乗ること十五分。
降り立ったのは、教会らしき建物の前だった。

ここはなんだろう?
そう思いながら、ルカに手を引かれて歩く。
教会の正面に向かって歩き、外壁に沿って奥へと進んだ。


「あれ、知ってる?」


教会の前でルカが指差した先にあったもの。
それを見て、すぐにピンときた。


「うん、知ってる。嘘つきは手を噛まれるってやつでしょう?」


確か、『真実の口』とか言ったような。


「そうそう。やってみる?」

「ルカ、やったことあるの?」


肩をすくめて首を横へ軽くひと振り。


「やるのは、観光客ばかりじゃないかな」


それはわかる気がする。
東京に住みながら、スカイツリーに上ったことがないのと一緒だ。


「でも、ミナは大丈夫?」

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