イケメン貴公子のとろけるキス
そう思っているくせに、小さな恐怖は完全には消せない臆病な私。
おそるおそる手を入れる。
もちろん、鎮まったままの真実の口。
「ほらね。私、嘘つきなんかじゃないでしょ?」
清廉潔白ぶりを笑顔でアピールしてみせた。
本音では、何事もなくてホッとしていたのだけど。
「よし、次は僕の番だね」
意気揚々と、かつスマートにルカは手を伸ばした。
するとその途端、ルカの顔に悲痛な表情が浮かぶ。
――嘘でしょ!?
ついさっきまで笑っていた口元が、苦しみに歪んでいく。
「Aiuto! 助けて、ミナ!」
「えっ!? ルカ!?」
ちょっと待って!
切り落とされたなんて、言わないでよ!?
慌ててルカの腕を取り、力任せに真実の口から引っ張る。
それはもう必死だった。
だって、ルカの手がなくなるなんて考えたくもない。