イケメン貴公子のとろけるキス
ルカの不安が拭い去れないのなら、最後にもうひとつだけ。
「ふたりで抜け出そうよ」
振り返った滝本くんに笑顔で提案する。
「え?」
滝本くんは私とルカを交互に見ると、苦虫を噛み砕いたような表情を浮かべた。
俺を修羅場に引き込まないでくれ、というところか。
滝本くんには申し訳ないけれど、これで最後にするからという思いを込めて見つめる。
「ね、行こう」
滝本くんの腕に自分の腕を絡めた。
これで、私がルカの恋路の邪魔をしないことはわかってもらえただろう。
ルカの視界から消えるためだけに、滝本くんとふたりで店を出た。
しばらく歩いてから、滝本くんが私の腕をやんわりと外す。
「おい、どういうつもりだよ」
「ごめん!」
平謝りするしかない。
顔の前で合掌して、そのまま頭を下げる。