イケメン貴公子のとろけるキス

……何だろう?


「小夜さん、これってなんて書いてあるんですか?」


企画案の作成に戻っていた小夜さんに、ルカの名刺を差し出した。
どれどれ? と椅子を滑らせて私のそばに寄り添う。


「“ずっとそばにいたい”よ」

「え……」


どういう意味で……?
ルカの意図が読めなくて頭が混乱する。


「それ、ルカの名刺?」


うなずく私の頭を、小夜さんがポンと撫でた。

“ずっとそばにいたい”?
いくら考えてもわからない。


「本当は内緒にしておくように言われてたんだけど……。ミナをローマに行くよう仕向けたのは、ルカなの」

「え……?」

「まぁ、仕向けたというか、五年勤続の報奨でイタリアに行くよう私から説得してくれって」


小夜さんの言っていることが、まるでわからない。

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