イケメン貴公子のとろけるキス

日本語を聞いているはずなのに、まったく違う言語でしゃべられているようだった。


「……どうしてですか?」

「そんなの決まってるじゃない。ミナに会いたいからでしょ。去年の十二月、ミナに恋に落ちたからよ」


予想もしないことだった。
ルカは、私の知らないところで私に恋して、私の知らないところで私を呼び寄せていた。

それなら、どうして気持ちを伝えてくれなかったの?
どうして何も言ってくれなかったの?
それに、美穂さんは?
ふたりは、彼女がローマにいたときからの恋人同士じゃないの?

もしもそれが事実と違っていたら、私はルカにひどいことを言ってしまったことになる。

『イタリアでのことは、ちょっとした過ちっていうか。私も全然気にしてないし。お互いに忘れようね』
なんて、自分の気持ちに嘘を吐いてまで。


「小夜さん、どうしよう……。私、ルカにひどいこと言っちゃった……」

「それなら早いところ訂正したほうがいいんじゃない? ルカならちょっと前に帰ったところよ。それから、美穂はルカの恋人じゃない」

「え……?」

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