イケメン貴公子のとろけるキス
「ルカ!」
ひと目もはばからず、大きな声で名前を呼ぶ。
ルカはビクンと肩を弾ませた後、ゆっくりと振り返った。
そこにいたのが私だとわかって、表情が戸惑いに揺れる。
昨日の今日なのだ。
傷つく言葉をぶつけられた翌日に、その張本人から呼び止められたのだ。
今度はいったいなにを言われるんだろうかと身構えて当然。
ルカの前に立ち、肩を弾ませて呼吸を整える。
ルカは悲しげな瞳で私を見下ろしていた。
「ルカ、ごめんなさい」
突然謝った私に彼がポカンとする。
「……ミナ?」
困った様子で首を傾げた。
「昨夜私が言ったこと、あれ本心じゃないの。全部嘘。イタリアでのことがちょっとした過ちだとか、全然気にしてないとか。忘れるなんて絶対無理のくせに」
なかったことにできないのは私のほうだ。
心の中は、こんなにルカで溢れてる。