イケメン貴公子のとろけるキス
「ミナにイタリアで再会したときに言えなかったのは、想いが通じ合ったとしても、離れることに変わりはなかったから。ミナにつらい思いはさせたくなかった。そのときはまだ日本に行けることは決まっていなかったから」
ルカは私を思うがゆえに、自分の気持ちを押し殺してくれたのだ。
「でも結局、最後の夜は気持ちを抑えきれなくてミナと……」
あのときのことが克明に蘇ってくる。
翌日には離れ離れになる現実に胸を引きちぎられながら、切なさに心が悲鳴を上げた。
日本に帰ってきてからもルカを忘れた日はなく、薄れたと思ったのは私の錯覚だった。
そのルカが今、私の目の前にいて、私はその腕の中にいる。
恋焦がれて、苦しいほどに求めたルカがここにいる。
「美穂さんのことも誤解してたの。ごめんなさい」
「奏は、ミナの彼氏じゃないって思ってもいいの?」
コクンとうなずく。
「美穂さんがルカの恋人なら、私にも恋人がいたほうがルカの気が楽になるかもしれないって思って……」