イケメン貴公子のとろけるキス
「ミナに謝らなきゃならないことがあるんだ」
私に謝ること?
ひどいことを言って傷つけた私にはあっても、ルカが謝罪することはなにもないはず。
ルカの胸から見上げると、彼は少し罰が悪そうに鼻の下をこすった。
「実はミナに嘘を吐いた」
嘘……?
“滝本くんは私の彼氏”だと私が言ったように、ルカは美穂さんのことを恋人だとは断言していない。
心当たりはひとつもない。
「誕生日に一緒に過ごすふたりは、キスをするって言ったの覚えてる?」
「うん」
ローマで迎えた私の誕生日にルカが言ったことだ。
「あれ……嘘なんだ。そんな習慣はない」
ルカの眉がハの字に下がる。
グレーの瞳が見つめる様子は、私がどう反応するのか探っているようだった。
「ミナにキスしたくて苦し紛れに吐いた嘘だったんだ」