人事部の女神さまの憂い
「ふーん。この前オフィスであった時、一緒にいた人?あの人、何回か一緒になったことあるんだよな」
ちょっと考えるような仕草も、また様になっていて腹立たしい。
「あ、うちの副社長なんです。社長がパーティーとか苦手なんで、外交とかは副社長の担当で」
「そうなんだ。ゆりちゃん、仲良さそうだったよね」
久しぶりに男の人から「ゆりちゃん」って呼ばれて、どきっとしてしまった。それをごまかすように、ちょっとビールに口を付けた。
「今はうちの会社、規模おっきくなってるんですけど私が入社した頃って、まだまだちっちゃくて。その頃から創業メンバーの皆さんには鍛えていただいていて」
そう話すと、柏木さんは意外そうな顔をしていた。
「ゆりちゃん、ちゃんと仕事してるんだ」