人事部の女神さまの憂い
「ちゃんとって。これでも一応、人事の責任者してるんですよ」
バカにされたことが癇に障り、名刺入れから名刺を取り出して1枚手渡した。
「へぇー。ごめん、ごめん。この前”ニシユリ様”とかの話してたから、てっきりビジュアル担当のお飾り的存在かと」
受け取った名刺をまじまじと見て、普通に謝られてしまった。
「そんな担当いませんよ。うちって、社長が『技術を生み出すのは人だ』って規模小さな頃から人事部は独立させてたんですよ。だからうちの会社の人事に、というか、うちの会社にお飾り、なんて1人もいませんよ。ITベンチャーって、そういうイメージなのかもしれないですけど・・・」
そこまで語気を強めて話すと
「ごめん、バカにしたつもりじゃなかったんだ」
真剣に腹を立ててることが伝わったのか、今度はちゃんと頭を下げて謝ってくれた。