人事部の女神さまの憂い

その姿にこちらも申し訳なくなって

「すみません。私も仕事のことになると、ちょっと熱くなっちゃって。あ、南蛮漬け食べたいです」

思いっきり話を逸らしたが、柏木さんはまだ申し訳そうな顔をしたままで

「好きなものたのんで。お詫びに今日はおごらせてよ。で、仕事の話、聞かせて」

優しくそう言ってくれた。

その優しい様子にのせられて、最近の仕事の話から、なぜ”ニシユリ様”と呼ばれるようになったのかまで話してしまっていた。



「ごちそうさまでした」

約束通りおごってくれたことにお礼をいいつつ、お店をでたところで

「いえいえ。てか、この店すごい安いし。今度はもうちょっと、いいものご馳走させてよ」

と柏木さんは名刺を取り出した。


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