人事部の女神さまの憂い
「なに、考え込んじゃって。そういえば、柏木さんが侑里によろしくって言ってたよ」
びっくりすることに、このタイミングで巧の口から「柏木さん」というワードが飛び出した。
「え、柏木さんって、何で」
動揺してたずねると
「バイト先の所長。この前、焼肉食べたじゃん。今日帰り際に、これから侑里とご飯食べに行くって話ししてたら、ゆりちゃんによろしくって」
なんだ、雑談でちょっと名前が出た程度か、とほっとした半面、一瞬期待してしまった自分に落ち込んだ。
巧はご飯に夢中で、そんな私の様子は目に入れないまま
「柏木さん、結構侑里のこと気に入ってんじゃないかって思うんだよね」
嬉しいことを言ってくれる。ちょっと顔が緩みそうになるのを必死で抑えながら聞いてみた。
「え、なんで?」