人事部の女神さまの憂い

しばらく走った後、到着と言われて車を降りると海と夜景が広がっていた。

「うわぁ。埠頭って夜、こんな素敵なんですね。きれー」

東京タワーやレインボーブリッジまで見渡せる空間に思わずはしゃいでしまっている自分がいた。

「いいでしょ、ここ。仕事煮詰まった時とか、たまに来るんだよね」

「いいですねー。風も気持ち良いし。ここで、ぼーっとできたら、何かアイデア浮かんできそうですね」

「そう。ブレイクスルー的な。なんか、ゆりちゃん連れてきたいなって思ったんだよね」

「また、そういうこと言って・・・」

この素敵な景色の中で、そんなこと言われたら必死で抑えようとしている気持ちがあふれ出しそうで、それをごまかすように、ふざけた笑みをつくって柏木さんを見上げた。

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