人事部の女神さまの憂い

そう思ったとたん、ふわふわした世界から戻ってこられた。

そして、手を柏木さんの胸に置き、抱きしめられていた身体を離した。

自分で離しておきながら、背中から腕がほどけてしまったことに淋しさを感じながら

「ずるいです。遊ぶなら、他あたってください」

そう口に出すのが精いっぱい。精いっぱいだったのに、

「ずるいって。やっぱ、ゆりちゃんにはかなわないねー」

そう言って笑い出す柏木さんにあっけにとられてしまった。

そして、無性に腹が立ってきた。

「やっぱり、からかってるんですか。もう、ほんと、やめてください!」


< 166 / 471 >

この作品をシェア

pagetop