人事部の女神さまの憂い
完全に柏木さんから距離をとった。
すると、眉を下げた柏木さんが、もう1度私の腕をとった。
「ごめん、ごめん。からかってるわけじゃないから。ただ、さすがだなーと思ってさ。普通の女の子なら、ここで素直にうんって頷いてくれるのに」
表情を見ると弱弱しいのに、言っていることは最低だ。
ますます腹が立ってきて、腕を振りほどいた。
「もう、ほんとやめてください。やっぱり遊んでるんじゃないですか。いつも口説いてるような子と違って、めんどくさくて、すみませんね」
半分泣きそうになりながら、不貞腐れていると
「ごめん。本当に怒らせるつもりじゃなくって・・・」
そう言いながら私の頬に手をあて、目を覗き込んでくる。
その目で見つめないで。そう思って、とにかくじっと視線を下に向けた。