人事部の女神さまの憂い

何も言わずに見守っていた藤木さんは、というと

「大輔、よかったな。

 今日は邪魔になりそうだし、ニシユリ帰るか」

と早速帰る準備をしている。

まだプレミアム焼酎をあけたばかりなのに、さすがの藤木さんも焼酎よりも空気を読んだらしい。

私も喜んでる場合じゃなかったと思い直し、急いでストールを巻きながら

「お邪魔しました。またゆっくり話聞かせてくださいね~おめでとうございます」

と言って藤木さんと2人の愛の巣を後にした。

幸せの絶頂なんだろう2人は、もうお互いのことしか見えていなかったのか、玄関まで見送ってくれるなんてことはなかった。



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