人事部の女神さまの憂い
「それなんです。当初はビジョンを前面に押し出していたものの、最近は知名度を活かした戦略に切り替えてしまっていたので、それを戻すのか、という感じになるのかなと思ったりしていて」
「戻す、っていうのはいい表現じゃないわね」
「あっ、すみません。戻す、じゃなくてビジョン共感型、でいきたいなと」
「ニシユリの言うビジョンって何?」
「スリーイノベーションの社名にもなっている理念ですね。改めて、ここを大事に伝えたいと思ったんです」
「なんで?ビジョン出せば、今の規模になっちゃってても、新しいことにチャレンジしたいって子たちが来てくれんのかな」
うーん、と考え込む私の代わりに、香織さんが口を開いた。
「そうね。今のうちが、ビジョンとか、耳障りのいいこと言っても、聞いてもらえないよね。インパクトが足りないというか」
「そうそう、インパクト。採用もさ、プロモーションだから」