人事部の女神さまの憂い

気が付くと部屋は真っ暗なままで、柏木さんの姿が見当たらない。

不安になって身体を起こすと、ドアが開いた。

「ごめん、気が付いた?」

と言って自分で飲んでいたミネラルウォーターのボトルを差し出す柏木さんは不安気な表情。

身体はだるいものの、柏木さんの姿を見れて、ほっとしたこともあり

「大丈夫です」とにっこりと微笑むと、よかった、と言ってふわりと抱きしめられた。

そして髪に手を通しながら

「ごめん、無茶したよね」と弱弱しい声。

仕草がかわいくて、くすっと笑って「大丈夫ですよ」ともう1度いうと、ぎゅっと強く抱きしめなおされた。

そして、少し痛みのある、おそらく柏木さんの跡が残っている背中を指でなぞる。ちょっとヒリヒリするけど、くすぐったくって身をよじると

「この前、俺余裕なかったから今日こそはと思ってたら歯止め聞かなくなっちゃって」

はにかむ柏木さん。


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