人事部の女神さまの憂い
あー、怒ってるなと藤木さんをちらっと見ると、ニシユリ!と不機嫌な声で呼ばれる。
びくっとしていると
「とりあえず、ビールもってこい」
暴君から指令が出た。はいっと返事をして冷蔵庫からビールをとってきて手渡すと、すぐに飲み始めた藤木さんは
「状況はわかった。そのストーカー野郎をとっちめればいいんだな」
すっぱり言い切った。そして香織さんに顔を向けて質問を投げる。
「そいつSMHで働いてるってことだけど、社長とつながってるかな?ペーペー?」
「うんん。人事の責任者だし、もう長いから社長とは直でやり取りしていると思うよ」
「OK。ニシユリ、そいつの名前は?」
「原田さんです」
答えを聞いた途端、スマホをもって立ち上がり窓際まで移動して電話をかけ始めた。