人事部の女神さまの憂い

「おい、ニシユリ。大丈夫か?」

朦朧とした意識の中で、そんな声が聞こえた気がして身体を起こそうとすると寒かった身体があたたかい温もりに包まれた。その温もりと香りに安心して、また目を閉じた。



気が付くとベッドで、なぜか男の人の腕の中にいた。状況がわからずにパニックになって、とりあえず離れようと身体を動かすと

「ちょっとは落ち着いた?」

頭の上からよく知っている声が。

「藤木さん・・・」

声に出したつもりが、声になってない。喉がカラカラで痛くて、思わず顔をしかめてしまった。

「大丈夫か。とりあえず水分獲れ」

ベッドサイドに置いてあったのか、スポーツドリンクを手にして抱き起し、口元までペットボトルを運んでくれる。やっぱり状況がよくわからないけど、条件反射で口を開けると流れ込んできたスポーツドリンクが火照った体に染み渡るようで心地い。

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