人事部の女神さまの憂い

「今のうちに仕事の指示だけメールしちゃおうかと」

そう言って1歩踏み込んだところでふら付いてしまった。後ろから抱きかかえるように支えてくれた藤木さんは

「そんなの朝でいいだろ。朝いちでミーティングとかはいってんのか?」

ベッドに戻そうとしてくる。

「いえ、明日は午後しかはいってないかも」

まわりきらない頭を働かして答えると

「じゃあ、今日はもう大人しく寝とけ」

ベッドに寝かされ、身体を横にすると一気に気が抜けた。

「これ、張らなくてもいいか?」

おでこに張る冷却材をヒラヒラさせて問いかけられたものの、やっぱり頭が働かない。

「どっちでも」

とりあえず答えたもののご不満だったようで

「なんだよ、それ。じゃあ、張っとくぞ」と乱暴に前髪をよけられてペタっと張られ、冷たい感触にビクっとしていると、ふっと笑った息がかかる。


< 398 / 471 >

この作品をシェア

pagetop