人事部の女神さまの憂い
なんか幸せだなーと思ってニヤけていると
「ほら、口あけろ」とスプーンを差し出される。
条件反射で口をあけると、甘くて冷たい食感が広がって「チョコだ」と嬉しくて笑うと、
「お前好きだろ?」自慢げな表情の藤木さん。
その顔をみると、胸がキューとして、幸せで、でも何かもどかしくて、自分でもよくわからない感情が身体をかけめぐった。それが何なのか自分でも戸惑ってしまったものの、どんどん差し出されているアイスを口にしながら、胸を落ち着けることに集中した。
その後藤木さんは、ちょっとめんどくさいインフルエンザの薬をちゃんと吸引するところまで見守って
「帰り寄るから、鍵かりるぞ」
と言って私の通勤鞄から勝手に鍵を取り出して家を出ていった。
結局、私の熱が下がるまで藤木さんは会社が終わると家に寄ってくれて、本当に甲斐甲斐しくお世話をしてくれた。