人事部の女神さまの憂い

「自分がちょっと幸せだからって!」

悪態をついていると、横で藤木さんがケラケラ笑い始めた。

「お前、ほんとバカだな」
「バカって・・・」

藤木さんの言葉に絶句していると

「まぁ、どうかとは思うとこはあったけど、あのレベルの男なんてもうニシユリじゃ無理だろ」

さらにバカにしてくる立花さんは本当に腹立たしい。

「それくらいわかってますよ!」

強がってグラスに入っていたワインを一気に流し込んだ。


その後もバカにしてくる立花さんはスルーしながらいつの間にか立花さんが眠ったタイミングでいつものように香織さん家を後にした。



「3月入ったのに、やっぱりまだ寒いですねー」

お酒で火照った身体が外の冷たい風に冷やされて手をこすり合わせていると

「そういえば、お前って手袋しねーの?」

そう聞いてくるのは、温かそうなレザーの手袋をしている藤木さん。

「なんか昔からの癖で」

「癖?」


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