人事部の女神さまの憂い

結局最速で仕事を片付けて藤木さんのデスクに行ったのが27分を過ぎたところ。

「おー、優秀だな」とお褒めの言葉をいただいたものの

「お前コートと荷物は?さっさと帰る準備しろよ」

とバカにされてしまった。30分以内に気を取られてたけど、そういえばこの人上がれって言ってたな、と思い出し、すみませんと謝って藤木さんと一緒にデスクに戻ってから、帰路についた。


「やっと早めに上がれるから、あれ飲もうと思って。まだ開けてないだろうな?」

「かろうじて?週末ついつい開けそうになったんですけど、我慢しました」

「お前、ほんと油断ならないな」

そんなやり取りをしながら、今日はピザで我慢するかとスマホで操作して、うちの住所も登録済みなのか1人でオーダーを完結させて満足気な藤木さん。すっかり家は飲み屋だなと思いながらも、こうやって藤木さんと過ごせる時間にほっこりとした気持ちになる。


家に着いていつものように巧のジャージをだしてリビングに戻ると、ニヤニヤしながら自分の鞄から服を取り出している藤木さんがいた。

「あれ?」と声にだすと

「この前みたいに巧が来たら悪いなと思って持ってきた。洗面所かりるぞ」

そそくさと着替えにいく。


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