人事部の女神さまの憂い
「おい、起きろ」
「やだ」
なんか温かいものに身体を摺り寄せてギュッと腕を巻き付けると、なんか幸せな気持ちが湧いてきて、フフフと口元が緩む。
「だから、起きろって」
手をバチンとたたかれた衝撃で目を開けると、眉間にしわを寄せた藤木さん。
ん?と思いながらも、さっきまでの幸せな気分のまま、いい夢だなと思って
「藤木さんだー」と言って、さらにギュッと抱き着くと今度は頭をはたかれた。
そこで、ようやく目が冴えた。
「前も思ったけど、寝起き悪すぎだろ」
呆れ気味の藤木さん。すみませんと謝りながら、まだ抱き着いたままのことを思い出して、慌てて腕をほどいて離れた。無意識って怖いと反省していると
「時間、やばくない?」と時計を指さされた。確かにこれはギリの予感。
「すみません、私先にシャワーします」
とにかくバスルームに急いだ。