人事部の女神さまの憂い
そんなことをぼんやりと考えている間に、楽しみにしていた香織さんと立花さんの結婚式の日がやってきた。
「大荷物だな」車に乗り込んですぐに笑われた。
「だって夜通し飲めるだけっていうから、一応オツマミもと思って」
あの日約束してくれたように、お酒の貢物をすることで一緒に車に乗せてってくれることになったのだ。実は初めて見る藤木さんの車はメーカーは違えど、柏木さんと同じようなSUVで一瞬乗り込むときにドキっとしてしまった。モテる男はこういう車に乗るんだと、分析をしていると
「今日はそっちモードなんだな」
という声が聞こえた。今日はニシユリ様モード。黒のタイトなスリット入りのドレスに髪は夜会巻き。
「会社の人もいるんで、仕事モードです」
「でも、新人の頃知ってるやつらばっかだろ。前のパーティーの時のも似合ってたのに」
そう言われて柏木さんに会うために連れて行ってもらったパーティーを思い出す。あの時は横にいる藤木さんじゃなくって、柏木さんに夢中だったな。でもあの日も藤木さんは優しかったよな、とか懐かしい思い出に浸っていると
「お前、まだあいつのこと引きずってのんか?」
予想外なコメントが。