人事部の女神さまの憂い

「久しぶり」と言って手を上げる藤木さんはすごく様になっている。やっぱり正装が似合うよな、としみじみ見ていると

「なに、なに、彼女同伴?とうとう崇も?」

ヤンチャそうな男の人の一人に視線を向けられて焦った。そうなりたいんだけどな、と返事に困っていると

「会社の子。お前ら、からむな」と言って追い返している。まぁ会社の子だよね、とさっきまでのテンションから一気に落ちていると

「ニシユリこいつら煩いから、安田たちんとこ避難しとけ」

奥にいる役付きの方々の方を指さされた。取りあえず頷いてそちらに向かっていると、後ろの方では

「美人だなー」
「ほんとに彼女じゃないの?」
「でもお前手出してるだろ」

散々はやし立てている声が丸聞こえ。なんだか恥ずかしくなって逃げるように安田さんたちのところに行っても

「やっぱり藤木さんと一緒か」とからかわれる始末。

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