人事部の女神さまの憂い

「え、いんですか?」

普通ブーケってみんな欲しくて、ブーケトスとかで奪い合うのに、と思って聞くと

「うん。次はゆりの番かな、と思って」

優しく微笑んでくれる。けど、そんな予定はさらさらなくって申し訳なくなっていると、うふふと笑われて、大丈夫よ、きっと、と言いながらも

「まぁ私の友達、ほとんど独身の子がいないっていうのもあるんだけどね」

種明かしをされてしまった。

「じゃあ遠慮なくいただきます。お二人の幸せのおすそ分けもらえると思うと、すごい嬉しいです」

「まぁ、がんばんなさいよ」

そういう香織さんは意味深な笑みを浮かべている。もしかして私が藤木さんに気持ちがあるの、もう気付いているのかも。やっぱり香織さんにはかなわない。落ち着いたら今度話を聞いてもらおうと

「今度聞いてくださいね」

と言うと、ニヤリと笑われた。香織さんに何て言われるか恐いものの、きっと否定はされないはず。「ヤリチン」だった立花さんを更生させた話、今度もう1回詳しく聞いてみよう。


楽しい宴は海に沈む夕日をバックに立花さんからの挨拶で締めくくられた。
香織さんのことを本当に大好きで、今日来ているゲストへの想いも伝わる素敵な挨拶だった。


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