人事部の女神さまの憂い

「あれ?私の部屋なかったですよ」

「フロントに相談したら貸してくれた」

何でもないような風に言うけど、やっぱりこの人暴君だなと思って笑ってしまった。

「飲むことへの情熱、半端ないですね」嫌味も込めて言うと

「海風、すげー気持ちいいぞ」

全然人の話なんて聞いていなくって、早速手に持っていた晩酌セットを持ってくれてテラスに足を向けている。お邪魔します、と後ろに続くと、テーブルセットだけじゃなくって、既にコップも氷も一式用意されていた。

「ありがとうございます!用意周到ですね」

お礼を言うと

「当たり前だ」

なぜか威張っている暴君。

結婚式で幸せのおすそわけをたくさんもらったおかげで私もテンションが高いまま

「今日は夜通し飲むんですからね」

言いながら後ろから藤木さんの腕にからみついて甘えてしまった。すると意外にも藤木さんは、おぅと言ってちょっと照れた様子を見せている。こんな反応初めてみた、結婚式マジックすごい!と心の中で香織さんと立花さんに感謝した。

海からの風を受けながら話すのは、やっぱりさっきの結婚式のこと。


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