人事部の女神さまの憂い
「本気なんですか?」
「冗談でこんなこと言うわけないだろ」
「えっ?それって、女として私のこと好きってことですか?妹とかそういうんじゃなくって?」
「そう。お前が柏木さん、柏木さんとかぴーぴー言ってる間も。俺の中では、もうとっくに女なの。何度、生殺しの目にあったか。健気だろ」
なかなか本気にしないせいか藤木さんもちょっとイラッとしているのが伝わってくる。でも、そんなこと言われてもすぐに理解はできない。
「えっと、でも・・・」
口ごもっていると、ふっと笑った藤木さん。
「しかも前言ったろ。好きとか、そいう軽い気持ちじゃないって。
強いていうなら、愛だな」
そこまで言ったかと思うと、頭に手をおかれ藤木さんの唇が降りてきた。はじめて触れた藤木さんの唇は冷たかったけど、そんなこと気にならないくらい、なにかがぴったりで。ずっとこれが欲しかったんだって、離れたくないって思って夢中で何度も何度も唇を合わせた。
「なぁ、返事は?」
唇を合わせてる合間に問われても、その感触に吸い寄せられて答える余裕なんてない。
チュっと下唇を吸って離れていった唇に淋しさを感じて目で追うと、ふっと笑われたけど、その目はとても優しかった。