人事部の女神さまの憂い
「なぁ、返事は?」
もう一度言われて
「私でいいんですか?」
「だから、さっきからお前がいいって言ってるんだけど」
「これまでも一緒に部屋で飲んだりしてたのに、全然そんな素振りなかったじゃないですか。だから私、女として見られてないんだろうなって思ってたんですけど」
ずっと思っていたことを口にした。すると、ぎゅっと大きな手で両手を包み込んで
「お前のことは、ちゃんとしたいと思ったから。あいつのことでもお前悩んでたし。ちゃんとしたいから下手に手出せなかった。言ったろ?何度も生殺しにされてたって」
最後はちょっとおどけながらも、ゆっくりと言葉にしてくれた。
「ほんとにいいんですか?」
「うん」
「私、浮気とか絶対ダメなんですけど」
「女遊びなんて結構前にやめたよ。俺のプライベート、ほとんどお前と一緒に居たって気付かなかった?」
そこまで聞いて、ようやく本当にこの手が私だけのもになるんだって実感が湧いてきて、嬉しくて。藤木さんに抱き着こうとしたら、ダメと押し返されてしまった。