人事部の女神さまの憂い
「そろそろ起きろ」
聞こえてきた声に、うんと反応しながらも、さっきまで感じていた熱が離れていってしまったのが淋しくて
「いかないで」
とつぶやくと、ぎゅっと抱きしめられた。欲しかった温もりがやってきて嬉しくて頬をスリスリしていると
「ほんと寝起きやばいな」
顔にいっぱいキスされる。ん?とぼんやり目が覚めて来ると、やっと思い出した。
「藤木さんすきー」と言いながら藤木さんの唇を探していると、察してくれたのか唇に愛しい人の唇が合わさった。こんなに幸せな気分を感じた朝ははじめてかもしれない、なんて大げさなことを考えていると
「これ以上はやばいから、起きて」
困ったような藤木さんの声がふってきた。
「おはようございます」とりあえず挨拶を口にすると
「その寝起きの癖、なんとかしろよ。これまで何回、俺が我慢してきたか・・・」
眉間にしわを寄せている。せっかく幸せ気分なのに、と思いながら
「もう我慢しなくてよくないですか?」
と言うと、あーとうめくような声を上げて私の頭に手を置いたかと思うとグシャグシャにして
「とりあえず今はチェックアウトの時間が迫ってんだよ。起きろ」
と今度は本当にベッドから起き上がってバスルームに行ってしまった。