人事部の女神さまの憂い

その日、結局一度藤木さんの部屋に車を置いた後、スーツケース2つ分の荷物をもって私の部屋に帰ってきた藤木さん。

「引っ越しはさすがに挨拶行った後じゃないとまずいから」

と言ってしばらくは私の部屋で暮らすつもりらしい。そして、家も決めたし早く引越したいと言いはじめたかと思うと、パソコンを開いてスケジュール調整をはじめ

「再来週の月曜かな」と呟いている。

このモードになったら何言っても無駄だなとあきらめて、簡単なオツマミと焼酎を用意して戻ると、サンキュとグラスを受け取ってから決定事項を話始めた。


「再来週の月曜は休みな。で、お前の実家に挨拶行くぞ。お前も休みとれそうなのそこだったから順番逆になって悪いけど、来週は俺の実家な。で、引越はこの日。籍も挨拶済んだらいれたいけど、希望の日とかある?あとは式も」

一気に色々話されて混乱して混乱していると

「実家、函館空港でいいんだよな」

飲みながら飛行機の予約をしようとしている。
本当に仕事が早い。

「ちょ、ちょっと待ちましょうか」

いったん止めてみようとしたものの

「え、やっぱお前の実家が先の方がいいよな。じゃあ土曜の朝いちの便にするか。せっかくだから、ゆっくり観光とかもしたいなって思ったんだけど」

順番がかわるだけで内容は何もかわらない。


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