健診診断と恋と嘘

「大切にするよ。お母さんが守った大切な娘さんだからね。俺は朔ちゃんの笑顔が好きだから」


そう言った小塚さんが私の頬に手を添えて上を向かされる。


「結城じゃないけど、やっと何よりも大切って思える子に出会えたんだから、めちゃくちゃ甘やかして大切にするよ。
これからは朔夜って、呼ぶね。お母さんが残してくれた大切な名前だから、そう呼びたい」


ちゅっと唇にキスされてやっぱりビクッとしてしまう私に小塚さんが優しく微笑む。


「朔夜……好きだよ。いっぱい甘えていいし、頼っていいから。俺も、朔夜のためなら何でもできるよ」


頬を撫でられてそう言われて胸がいっぱいになって泣きそうになる。いや、泣きそうじゃなくて泣いてる。


こればかりはいくら小塚さんに抱きしめてもらっても止まらない。


小塚さんの言葉が胸の奥に響いて、私を満たしていく。


この人の声は、言葉は、私の心の奥底によく響く。


< 168 / 314 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop