健診診断と恋と嘘

「俺、朔夜がいないとひどい生活になるし。もう朔夜がいないと無理。生きていけない」


小塚さんのぬくもりに、その言葉に、涙が滲んでくる。


「本当に泣き虫だな、朔夜は。よしよし、これからは俺がいるからね」


優しい手つきで背中を撫でてくれる小塚さんの規則的な心臓の音が聞こえる。


小塚さんにそうやって抱きしめられると安心して、すぐに涙が止まってしまう。


「凌ちゃんに抱きしめてもらうと涙止まる。イケメンに抱きしめられると止まると思ってたんだけど……凌ちゃんだったからみたい」


結城さんの旦那さんじゃこうはならなかったもんな。


凌ちゃんとは違う香りとぬくもりに何か悲しくなっちゃったし。


いや、本当に屈辱を感じさせてしまって申し訳ないことをした。あとでもう一回謝らないとな。


「凌ちゃんはやっぱり特別だから。ぎゅうっとされるとすごく気持ち良くて安心する」


そう言って小塚さんの胸に頬を擦り寄せる私に一瞬固まった小塚さんがまたため息をつく。


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