青涙

<…うっ…お姉…ううっ…ちゃん…い…うっ…つ…気づ…ううっ…いたの?>

<さっきだよ…。

真洋が…教えてくれたの…>

<へ…東…ううっ…間くん…うっ…が?>


『…誕生日…いつですか?』

しつこく聞いてたのに次の日からは聞かれなくなってたからおかしいと思ってたけど…。

それは…知ったからだったのね…。

平太に聞いたんだ…。

じゃあ…今日“言うな”って口止めしたのは無駄だったって事?

っていうか…平太も言ったなら、言ったって言ってよ!

そしたら、直接変人を口止めしたのに!

そしたら、お姉ちゃんが泣かなかったのに!

そしたら、私もこんな悲しくなか…。

<那子が…心配になって…平太に…電話したんだけど…。
平太の…家に…行かなかったのね…>

<うっ…うん…>

腹ごしらえするために行きたかったけどね…。

<お姉ちゃ…うっ…ん…私は…うっ…大丈夫…うっ…だから…東間くん…うっ…の誕生日…祝って…ううっ…あげて。
待って…うっ…る…でしょ?>

<私が…待ってるの…>

<…えっ?>

<真洋…。私が…平太に電話してる間に…居なくなったの…>

<居なく…うっ…なった?>

<多分…。
あなたを…探しに…行ったんだと思う…>
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