青涙
「未子の所だよ!」

「行って…うっ…どう…ううっ…するのよ!」

「怒るんだよ!! 何で妹の誕生日を忘れたんだって!!!」

「いい…うっ…ってば」

「よくないだろ!! 聞かないと、何で毎年祝ってるお前の誕生日を忘れたのかを!」

「変人と…ううっ…同じ…うっ…だっ…うっ…たの!!」

「同じ?」

「同じ…ううっ…誕生…うっ…日なの…」

「お前と…魔王が?」

「うっ…うん…」

「だから…驚いたのか…」

「驚…うっ…いた?」

「いや、こっちの話だ。それが何だ」

「だか…うっ…ら、お姉…ううっ…ちゃんは…」

「忘れたのか?」

「でも…うっ…」

「余計にダメだ…」

「平太…落ち着…ううっ…いて…」

「落ち着いていられるかよ!!」

平太…。

「あり…ううっ…がとう…」

私のために怒ってくれて…。

「お姉…ううっ…ちゃん…。忘れ…うっ…てた…ううっ…けど…思い出…ううっ…してくれたの…」

「そうなのか?」

「う…うっ…ん…。変人…うっ…が教…ううっ…えて…うっ…くれて…」

「知っててんだな。どこで知ったんだろうな。
俺は言ってないけど」

「言って…うっ…ないの?」

「言ってない」
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