青涙
「もしかして、お金がないのか?」

「はい?」

「言っとくが、俺の可愛い笑顔を誕生日プレゼントであげたのは、お金がないわけじゃないからな」

「私もお金がないわけじゃないわよ!! うっ…」

「じゃあ、何で誕生日プレゼントあげないんだよ」

「あんた…うっ…だって、何で…うっ…買ってあげない…うっ…わけ?」

「今、知ったからだろうが」

「なら、今、買って…うっ…来てあげれば?」

「授業があるだろうが」

「サボれ…うっ…ば?」

「魔王。こんな奴には誕生日プレゼントなんてあげるな!
って、あげてないか」

「もらった…うっ…けど?」

「魔王。あげたのか?」

変人がコクリと頷く。

「買ってあげなくて良いって言っただろ!!」

「やっぱり…うっ…私の誕生日…うっ…教えたの…うっ…平太なんだ」

「教えてないよ」

「だったら、“買ってあげ…うっ…なくて…うっ…良いって言っただろ”って何?」

「“買ってあげ…うっ…なくて…うっ…良いって言っただろ”って言ってないけど、何?」

「言った…うっ…でしょ!!」

「“買ってあげ…うっ…なくて…うっ…良いって言っただろ”って言う風に言ってない。だよな? 魔王」

変人がコクリと頷く。

「ほら!!」

ムカつく…。

そんな時、一人の女子が目に入る。

「平太…」

「言ってないぞ」

「昨日、北田さん…うっ…と何か…うっ…あった?」

「何で?」

「昨日一緒に…うっ…帰ったんでしょ?
なのに、どうだった…うっ…とか何も…うっ…言わないから」
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